先日、電話での相談があった。
相続により取得する土地(山)がどこなのかわからないとのこと。
名寄帳で確認して市役所に資料を取りに行ったが場所がどこなのかわからない。それが20筆近くあると。
市街地ならともかく山なので行ったことは当然ないし、そんな話聞いてもないということだ。
場所を特定するための地図
まず土地の場所を特定するためには地番が必要である。
名寄帳には地番が記載されているのでそれをもとに地図で探すことになる。
地図と言ってもグーグルではなく、法務局の地図である。若い人は見たことがない人もいると思う。
一般的な地図は道路がしっかり表示され現況がそのまま反映されているので感覚的にわかりやすい。
しかし法務局の地図は地番の記載があり、線で区画はされているがいまいち想像しにくいと思うはずである。

現地の特定
地図を取得したら、実際に現地がどこなのか探していく。
住宅などがあればグーグルで地番を入力すると近くに落とすことができる。それを地図と見比べれば大体の場所はわかるはずである。
しかし今回は山であることから地番を入力しても表示されないと思う。
座標
法務局の地図は14条地図であれば現地復元性がある。
これは座標により境界を一定の範囲で特定できるからである。
地籍調査が完了している地域であれば市役所で座標等の資料を取得することができる。
測量の知識がある人なら座標さえあれば現地は特定できると思うが、一般の人にはなかなか厳しい。
費用
そこで土地家屋調査士に依頼するわけだが、どこまで特定するかで費用が変わってくる。
1筆の境界全部を特定するなら相当な費用が発生する。また隣接者との立会が必要ならさらに高額になる。
最低でも20~30万の出費は覚悟した方がよい。
土地の売却価格より測量費用の方が高いなんてことはザラだと思う。
しかし今回のように単純に場所がどこなのか知りたいだけなら比較的安価にできる。
グーグルなどに14条地図を重ねる、座標をもとに実際に現地でこの辺りと示すなどである。
まとめ
・地籍調査が完了していれば座標が管理されているので比較的簡単に場所を特定できる。
・本格的な測量をすると高額になる。
自分で調べてみてどうしてもわからないときは近くの土地家屋調査士に相談してみるとよい。